※本記事は、YouTube動画の内容をもとに文字起こしを行い、話し言葉や誤変換を整理したうえで、要点が伝わるようにまとめています。
内容理解を目的としており、発言をそのまま再現したものではありません。
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悩みがしんどくなるのは、問題そのものが大きいからというより、頭の中でいくつもの問題が一斉に回ってしまうからです。この記事では、悩みをそのまま抱え込まず、書き出して整理し、考えられる形に戻していく方法を掘り下げています。
書き出すことの意味、問題の中心核の見つけ方、相談で本当に答えるべきこと、そして「解決」以外にも逃げる・保存する・忘れる・共有するといった手があることまで、悩みとの向き合い方を具体的に整理しています。
悩みは「問題そのもの」より、頭の中で膨れ上がった状態がしんどい

僕ですね、考え事は多いんですけども、割と悩み少ないんですよ。だから、人がなんで悩むのか、正直よくわかんないところもあるんですけども、それでもたまに悩むことはあって、例えばこの講演の準備ではずっと悩んでたんですね。東京と大阪で1回ずつやらなきゃいけない。しかも同じ話をすると僕がつまらないから、内容は変えたい。でも録画して後で公開するから、その場しのぎの逃げた講演にもしたくない。そういうのが、頭の中でぐるぐる回るわけです。
僕は、悩んだら書き出す癖があるんです。「時間がない」「何を話せばいいんだろう」「なんでやろうと思ったんだろう」「どれくらい話せばいいんだろう」って、本当にそのまま書く。書いても無駄に見えるんですけど、書くと、その心配を紙に移せるんですね。そうすると、もう自分が全部覚えてなくていい。紙が覚えてくれるから。
ここで言いたいのは、人間が悩んでる状態って、頭の中のワークスペースに問題がごちゃごちゃ積まれてる状態だということなんです。僕は、人間の頭って、車で言えば2トン車ぐらいだと思ってるんですね。2トンまでは運べる。でも、それぞれの問題が他の問題を吸い寄せて、「じゃああれはどうしよう」「これも気になる」「そういえばあの時あんなこと言っちゃった」ってなって、3トン、4トン、5トンになると、人間って動けなくなる。
悩みのしんどさって、個々の問題の大きさよりも、頭の中で全部が一斉に回ってることのほうにあるんですよ。
書き出すと「考える」状態に変わる
だから、まず書き出すんです。書き出すっていうのは、頭の中のごちゃごちゃを、一回テーブルの上に並べることなんですね。頭の中で渦巻いている間は、実は人間、あんまり考えられない。テーブルの上に置いて、初めて考えられる。
旅行の準備が上手い人って、カバンの中に直接詰めないで、一回ベッドの上とかテーブルの上に全部並べるじゃないですか。あれと同じです。何があるのかを見えるようにしてから、しまう場所を決める。考えるのが上手い人ほど、実はこれをやってるんです。
ただ、問題が大きすぎると、書き出しただけでは乗り切らなくなる。家族のこととか、将来のこととか、自分の人生の根っこみたいなやつになると、テーブルの上からボロボロこぼれ始める。そうなったら次は、書き出したものを分類する必要があるんですね。
「整理」は解決ではない。でも、ものすごく効く
僕の場合は、「講演」「引っ越し」「健康」「お金」みたいに、大きいくくりで分けます。最初は思いつくままに書いていても、そのあとで「これは講演の問題」「これは将来の不安」「これは健康問題」って仕分けていく。そうすると、今週考えなきゃいけないものだけをテーブルに残せる。関係ないものは、いったん外に落としていい。
ここで大事なのは、書き出しても分類しても、問題は何一つ解決してないってことなんです。好きな子に気持ちが伝わらないなら、書いてもやっぱり伝わってない。でも、ちょっと気が軽くなる。そうすると、その軽くなった分の余力で、「本当に分かってほしいのか」とか、「そもそもこれは恋なのか」とか、ようやく個別に考えられるようになる。
悩みって、最初から悩みなんじゃなくて、本当は一個一個はただの問題なんですよ。それがごちゃごちゃくっついて、どれから考えていいのかわからなくなった時に、悩みに進化しちゃう。だから、書き出すというのは、悩みを問題の形に分解し直すための手法なんですね。
まずやるべきは、問題の中心核を見つけること

シングルマザーの相談で見えた「関係ある問題」と「今は関係ない問題」
朝日新聞の「悩みのるつぼ」で、比較的初期に来た相談に、ものすごく壮絶なシングルマザーの相談があったんですね。27歳、7歳の男の子がいて、過去にいろいろあって、親との関係も悪い。虐待の記憶もある。夜の仕事をして、男に裏切られて、子どもには父親が事故で死んだと伝えていて、今は生活を助けてくれる愛人のような相手がいる。でも、その相手がマンションのローンを払ってなくて、3ヶ月後に出ていかなきゃいけない。どうすればいいのかわからない、という相談です。
これ、最初読んだ時は本当に頭を抱えました。どこから手をつけていいのかわからない。でも、よく考えてみると、僕の頭の中でもその人と同じことが起きていたんです。つまり、あまりにも情報が多すぎて、全部が一斉にのしかかってきていた。
なので、並べてみたんです。さらに、「今のあなたに関係ある問題」と「今は関係ない問題」に分けた。そうすると、相談文のほとんどが、今に関係ないことだとわかったんですね。
「中絶する前日に家を出た」とか、「親がこうだった」とか、「子どもの父親がこうだった」とか、それ自体は大変です。大変だけど、今すぐ考えなきゃいけないことではない。今この人が現実に困っているのは、「3ヶ月後にマンションを追い出される」という一点なんですよ。
ここが中心核なんです。
人は、聞きたいことより先に「言いたいこと」を書いてしまう
相談する人って、だいたい自分の悩みを整理できてないんですよ。だから、聞きたいことよりも先に、言いたいことを全部書いちゃう。自分の状態をわかってもらうためには、この背景もあの過去も必要だと思ってしまう。でも、それで本当に考えるべき問題が小さく埋もれてしまう。
このシングルマザーの相談もそうでした。一番大事な「3ヶ月後に追い出される」が小さく書いてあって、その前後に巨大な過去や感情が山ほど積まれてる。だから、この人の頭の中でも、本当に今考えるべきことが見えなくなってるんですね。
そこで僕が提案したのは、相談文を色分けすることでした。今すぐ解決しなきゃいけない問題、過去のトラウマ、自分の将来の問題、そういうふうに3色ぐらいで分けてみてくださいと。そうしたら、今考えるべき色は「3ヶ月後にどこに住むか」だけだとわかるはずだ、と。
役所の福祉課に行く、母子家庭向けの制度を調べる、今の仕事が続けられるのかを考える、相手との関係をどう延ばせるか考える。とにかく、そこだけに集中する。過去のことも将来のことも、今はいったんテーブルの外に落としていい。
これ、問題はまだ解決してないんですよ。僕が金を出してあげるわけでもないし、電話一本で解決する裏技を教えたわけでもない。でも、「今あなたが考えるべきものはこれだけです」と整理するだけで、人間は動けるようになるんです。
相談で答えるべきなのは、質問文そのものではないことが多い
悩み相談って、ついつい聞かれたことにそのまま答えたくなるんですね。「父に何と言えばいいでしょうか」と聞かれたら、「父に何と言えばいいか」を考えてしまう。でも、そうじゃないことがほとんどなんです。
その人は「父に何と言えばいいか」と書いているけど、本当に困ってるのは別のところにあるかもしれない。父親に一言言えば片付くと思っているから、そういう形で質問しているだけかもしれない。
だから、質問文に答えるんじゃなくて、その人が本当に何に困っているのか、問題の中心核をえぐり出さないといけない。これができないと、どんどん無駄な動きをさせてしまうんですね。
悩みは「解決する」だけじゃない

解決、逃げる、保存する、忘れる、共有する
僕は、問題へのアプローチって、解決するだけじゃないと思ってます。大きく言うと、五つあるんですね。
- 一つ目が、解決する。みんなこれが理想だと思ってるし、特に男性は「悩みは解決しなきゃいけないものだ」と思いがちなんですけど、実はこれだけじゃない。
- 二つ目が、逃げる。これ、一見ダメな方法に見えるんですけど、全然ありなんですよ。例えば、70歳のお嫁さんが90歳の義母との関係に悩んでいるとして、「何とか話し合って理解し合いたい」と思うより、あと数年ほっといたほうが勝手に状況が変わることもある。だったら逃げておいたっていいんです。問題に正面から向かわないことが、むしろ適切な場合もある。
- 三つ目が、保存する。たとえば、「なぜ人類は戦争するのか」とか、「なぜ差別はなくならないのか」とか、10代の頃ってそういう問題をものすごく真剣に考えるじゃないですか。でも、今すぐ自分に答えが出せるわけじゃない。そういう時は、「これは大事な問題だ。忘れないようにしておこう」とノートに保存する。今解けなくても、抱え続ける方法があるんです。
- 四つ目が、忘れる。これはもう根本的に、「そんな問題はなかったかのように振る舞う」ことです。できない人にはできないんですけど、忘れられるなら、それが一番いい。なぜなら問題って無限に湧いてくるからです。全部相手にしていたら、人生が持たない。
- 五つ目が、共有する。人に話すことですね。「こういうことが気になるんだ」とか、「今こういう状態なんだ」と話してみる。問題は解決しなくても、気が楽になる。実際、かなり強力です。
ほとんどの問題は、解決していないのに終わっていく
ここで面白いのは、この五つのうち、解決以外は全部、問題そのものは解決してないってことなんです。でも、人間の悩みの大半って、実はそうやって終わっていくんですよ。
息子の成績が上がらないという悩みも、成績は上がらなかったけど、本人が楽しそうに別の道へ行ったら、結果として問題じゃなくなる。昔の失恋も、もう一人好きな人ができたら、それで終わる。家族との不和も、いつの間にか時間が解決していたりする。
だから、あらゆる問題に対して、最初から「どう解決するか」だけで突っ込むのは、わりと乱暴なんですね。僕は、悩みや問題の99%は、厳密には解決してないと思っています。なんとなくどうでもよくなるか、他のところで状況が変わるか、そのどちらかです。
なので、悩んだ時に「解決以外にもアプローチがある」と知っているだけで、かなり楽になる。これは本当にそうです。
人に話せない人ほど、書いて仕分けるしかない

僕は人に相談できない人間なんですよ。講演の2、3日前になっても、「何話せばいいんだろう」「大阪なんだからちょっとくらいウケたい」とか、いろいろ考えてるんですけど、それを人に言えない。恥ずかしいし、なんか言えないんですね。
なので、僕はさっきのプロセスを通るしかない。紙に書いて、仕分けして、今考えるべきものだけ残していくしかないんです。
でも、話せる人は共有が使える。これ、ものすごく強いんですよ。二番から四番までは、どちらかというと気を軽くするための方法なんですけど、共有するは一気に軽くなる。解決するほどじゃなくても、問題を薄くしてくれる。
ただ、人はみんな、ある程度、話せない部分を持ってるんですね。ここまでは言えるけど、ここから先は無理、というラインがある。昔は話せたのに今は話せないとか、話せる相手がいなくなってしまったとか、そういうのがある。だから、紙に書いて仕分けるというのは、そういう人のための道具でもあるんです。
面白がるというのは、悩みを客観視することだ

主観の位置をずらすだけで、少し楽になる
僕は、自分の腰が悪くなって、「このままだと杖か車椅子ですね」と言われた時も、最初は普通に困ったし悲しかったんですけど、途中から面白がったんですよ。
面白がるっていうのは何かというと、自分を客観視することなんですね。主観をずっと自分に置いていると、ずっとしんどい。でも、カメラ位置を上にスーッと上げて、「あ、こいつ、またマック行ってるな。そりゃ腰も悪くするよ」みたいに、自分をちょっと離れたところから見ると、何も解決してないのに、ちょっと気が楽になる。
自分の身に降りかかったことを、自分だけの悲劇として見るんじゃなくて、ちょっと変なコントみたいに見る。これができると、人間は少し持ちこたえられるんですね。
僕の人生、だいたいこれでできてます。何かを面白がることでできてる。だから、「悩みのるつぼ」を10年も続けられたのも、解決不能な問題が来て、それに対してホームランは無理でも二塁打ぐらいは打てるんじゃないか、という感じで向き合うのが面白かったからなんです。
ただ、10年やってるうちに、それがだんだん面白がれなくなってきた。相手のことを抱え込むようになって、「本当にこの回答は届くのか」とか、責任感のほうが勝ってきた。だから、「あ、これやめどきだな」と思ったんですね。
悩み相談で大事なのは、「聞かれたこと」に答えることじゃない

「彼の携帯を盗み見たら」という相談が教えてくれたこと
もう一つ、面白がれた時代の象徴みたいな相談があって、これも強かったんですよ。「彼の携帯を盗み見たら」です。
1年半付き合っていた彼氏が怪しくなってきた。週末に会えないことが増えて、不安になった。ある晩、彼がお風呂に入っている間に携帯を見たら、「週末の温泉、楽しみだね。いっぱいイチャイチャしようね」というメールが見つかった。問い詰めたら、彼は逆に泣きながら、「これを試したんだよ。まさか携帯を盗み見るような女とは思わなかった。プライバシー意識がなさすぎる」と説教して出ていった。私は謝るべきなんでしょうか。それとも、騙されているのでしょうか、という相談です。
これ、状況だけ見たら完全にコントなんですよ。風呂に入ってる男、携帯を盗み見る女、浮気の証拠、逆ギレして説教して去る男。なんだこの一幕は、という面白さがある。
でも、この人が聞いてるのは、「謝るべきか」「私は正しかったのか」ということなんですね。つまり、自分が何に不安を感じているのかを、まだうまく言語化できていない。
ここで僕は、相手が聞いてないことに答えるという、すごく気持ちのいいやり方を覚えてしまったんです。それ以降、僕の悩み相談は、あんまりレギュラーな人生相談じゃなくなっていった。
相談者は、自分の本当の不安に気づいていないことが多い
「悩みのるつぼ」で10年以上やってきて思ったのは、みんな、自分の悩みをちゃんと整理できてないということです。文章のプロじゃないから当たり前なんですけど、「聞きたいこと」からは書かないんですね。書きやすいところから書く。
シングルマザーの人みたいに、本当は今の住まいの問題が中心なのに、そこへ行くまでに膨大な過去を書いてしまう人もいる。逆に、この「携帯を盗み見た」の人みたいに、状況は全部書いてるのに、本当に自分が何を不安に思っているのかは隠れたままになっていることもある。たぶん、本人も気づいてないんです。
だから、悩み相談で答えるべきなのは、質問文の表面じゃない。その人が自分でも気づいていない不安の中心なんですね。そこを見つけるのが面白くて、僕は10年間続けてきたんだと思います。
悩みの最中にいる時は、まず「解決以外の手」を思い出せばいい

結局のところ、悩みって、解決しなきゃいけないものだと思いすぎると、どんどんしんどくなるんですね。でも実際には、解決する、逃げる、保存する、忘れる、共有する、この五つのアプローチがある。
言われてみれば当たり前なんですけど、悩みのるつぼの真ん中にいる時って、それを忘れちゃうんです。解決しかない、何とかしなきゃ、正しい答えを出さなきゃ、と思ってしまう。
だから、そんな時は少しだけ体から意識を離して、自分を上から見るようにしてみる。「あ、今、自分は解決だけで頭がいっぱいになってるな」と気づくだけでもいい。そこで、「いや、他にもアプローチあるはずだ」と思い出せれば、それだけで少し楽になるんです。
悩みは、まず整理すること。全部まとめて抱えないこと。そして、解決だけが答えじゃないと知っておくこと。ここを押さえるだけで、人間はわりと、次の一手を考えられるようになるんじゃないかと思います。
OTAKING / Toshio Okadaをもっと知りたい方へ
まずはここから。
岡田斗司夫ゼミの無料・限定・プレミアムの違いを、はじめての方にもわかりやすくまとめています。
元動画はこちら
こちらが、今回の記事の元になったYouTube動画です。
要点だけでは伝えきれない話し方や空気感もありますので、
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